SMC税理士法人スタッフの推薦する言葉(令和3年3月)
- 値引きは「お客様への裏切り行為」だからしない
土肥 宏行ワークマンの「しない経営」という考えが面白い。
平日に服を買った後に、同じ商品が週末値引きされていることを後で知る経験はないでしょうか?何かを買う時、価格は大事で、金額が合わないときは別の日に改める時もあるかと思います。値段をみて、買うまでに2、3回検討する。
ワークマンは作業服を売る会社です。最近ではキャンプなどで使う人が増えましたが、実はアウトドア用に開発したものはないそうです。
低価格で高品質の商品を扱っていて、普通、撥水、完全防水というように機能が追加されると1900円、2900円、3900円と金額が変わる仕組みになっている。お客さんは、ワークマンが他社にくらべて安くて機能が良いことを知っている人が多い。だから機能やサイズは見るが、全く値札を見ないで買い物をしている。手に取ってからレジにすすむまでの時間がとにかく早いのだそうです。絶対的な信頼感があるからだ。もし土日だけ値引きを始めたら、それは定価で買ってくれたお客さんに対しての裏切りになる。
値引きをしなくても売れる商品を作ることが基本。値引きは手間がかかり、一部のお客さんだけ得をして不公平だ。「しないこと」の長年の積み重ねが、ワークマンへの絶対的な信頼につながっている
- 慣れの良し悪し
堺 友樹【コロナ慣れ】とか【宣言慣れ】などのように、慣れと言われるとなんだか悪いイメージの言葉のように思えてしまいます。
しかし、良い意味の慣れという言葉もあります。
仕事に慣れる・体が慣れるなど、状況に順応する・習熟するという意味がそれに当たります。状況に慣れることによって最善を判断するということをしなくても最善となる結果をもたらすのが慣れだと思います。
では、慣れがなぜ悪いイメージになっているかというと、慣れには慢心という部分が存在するからだと思います。
そして、慣れを悪いイメージから良いイメージに持っていくためには、今ある最善が本当に最善か?という意識を持って慣れていくということが必要です。仕事でも、たまには初心に戻って慣れている部分をもう一度やり直すということも必要だと思います。
- キリの悪いところで終わらせる
山村 佳恵脳には「終わっていないタスクをそのタスクが終わるまで無意識のうちに処理し続ける」という特性があるそうです。
この特性を活かせば、あえてキリの悪いところで仕事を終わらせることで仕事をしていない時間も脳が自動的に情報を処理してくれます。そのため仕事を再開した時もスムーズに仕事にとりかかることができます。
しかし、注意点が一つ。
仕事以外の自分の趣味などに関してはキリのよいところで終わらせないと、頭の片隅でそれについて考えてしまい仕事に集中できなくなります。
脳の特性を意識してどこで仕事や趣味を区切るのか考えてみると時間を効率的に使えます。
- 都合のよい条件に、人は金を払う。
丹下 優子おじいさんが孫のためにペットのウサギを探しています。ただどんなウサギがいいのか本当に飼えるのか不安だらけ。いくつか店を回り、ある店長よりこんな提案を受けました。
①交換自由
②飼育のレクチャー付
③当面の餌付
④後払い(孫が気に入ればその時に支払でOK)他の店より少し価格は高かったのですがおじいさんは即注文しました。
おじいさんは何にお金を払ったのか?それは、格安のウサギでもなく質のよいウサギでもなく、“都合の良い条件”でした。
おじいさんの疑問や不安をすべて解消してくれた提案に支払いをしました。お客様が断る理由のない提案買わずにいられない条件は何か?
自分の商品について今一度考えてみるきっかけになるのではないでしょうか。
- 差別化は利益を保証しない
中澤 正裕商品やサービスを販売する際に競合他社との差別化をみんなが追求すると思います。
差別化の為には開発、広告、販売、人、相当の費用がかかります。
差別化をして高い価格設定ができたとしても、差別化のための投資に対する利益率はどんどん下がってしまいます。投資に対して利回りがしっかりと確保できているのかという点に注目すべきです。
投資家はそのような視点で投資先を考えているそうです。経営者感覚、投資家感覚、両方持ち合わせて顧問先のことを考えてみても良いかもしれません。