No.27 現状分析は必要か

中小企業の延命措置と評判のモラトリアム(リスケ)が来年の3月に終了する。今年の3月時点の申込み企業の累計は30万企業と推定されており、返済を猶予している借入れの総額は80兆円というから驚きです。 仮に半分の40兆円が返済不能になるとすると、その額は日本の一年間の税収に匹敵する。金融機関も、中小企業とつき合っているとこっちも道連れになるというのが本音でしょう。

さて、会社がこんな状況になるとコンサルタントなどに助けを求めることが多い。社員などに今の会社の問題点は何ですか?などとヒヤリングして、外部環境などの要素を加味して「御社の問題点はここです。」などとまず現状分析をやりますが、現状を知れば知るほど気持ちが暗くなるから改革の意欲はわかない。うすうすわかっていることをダメ出しされると、「できない理由の発表会」になる。

ではなぜ現状分析が必要になるのか?
・・・『目標を達成するプロセス』で必要になる。

具体的には、①目標をもつ↓②目標達成のための課題を知るために現状を知る↓③目標と現状とのギャップ(課題)を埋めるための方法をひたすら考える(その際必ずゴールからの逆算で考える)↓④考えて実行して失敗して修正するプロセスを多いに楽しむ(数字は追いかけるもので、追いつめられるものではない)

例えば、売上げの目標を対前年120%と設定すれば、今のやり方の延長線上に達成の術がないことは、今の世の中誰でもわかります。大切なのは、目標を達成することよりも、目標を達成するためにどんな戦略で、どんな方法で戦うか、徹底して考えを巡らし、アクションプランまで落としていくことでしょう。企業とは「業を企(たくら)む」と書きますから、社会に対して何の企みもない企業は、企業とはいわない。

優秀なリーダーは決して現状の問題点を指摘しない。何としても成しとげたいというゴール(あるべき姿)までの道のりを指し示すことだけが、周囲を元気にする唯一の方法だということを暗黙知しているのだろう。だから、目標がない人に現状分析はいらない。

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