No.26 考える人と考えない人の結果に、ものすごい差が出る社会 其の二
前回は、リフォーム会社を例に、広告宣伝の効果を顧客の心理から考えてみました。情報社会となった現在、今すぐリフォームを考えている顧客群にとってみれば、あなたの広告は、他社と比較するという動機づけを促したにすぎませんでした。
では、価格競争せずに新規顧客を取り込むにはどうしたらいいのでしょう?
今すぐリフォームしたいという顧客群は、他社とよほどの違いがない限り、価格でしか釣ることはできません。最近の広告に対する反響率の悪さが物語っています。また、リフォームに全く興味を持っていない人は、はなからあなたの広告に目は留まらない。そう、ターゲットは、いつかはリフォームと考えている顧客群しかいないことになります。
そうすると、広告というのは商品を売ることが目的ではなく、リフォームに興味がある人に自ら集まってもらうことが目的ということになりますね。自ら集まってもらう方法は、いつかはリフォームと考えている顧客群が知りたい、または知っておいたほうがいいという情報を発信していくことです。「失敗しないリフォームのすすめ」などの小冊子で情報を発信したり、「リフォーム会社が本音で話す・・・」「騙されない・・・」などのセミナーを開催してコミュニティーをつくるなどして、顧客群の「失敗したくない」という欲求をただただ満たしてあげながら、信頼関係をつくっていきます。
信頼関係は、顧客群が考える期待をこちらが超え続けることですから、他社が逆立ちしてもマネできないような情報の質と企画の内容、接客や応対に至るまで、相当の時間とおカネを投入して、この会社に頼めば絶対損はしないな、という空気を顧客に感じてもらうことです。こうなると、ライバルが競争相手から自分たちに変わります。
広告宣伝とは、間違ってもこちらの商品を宣伝することではありません。興味がある人に集まってもらうしかけをつくり、顧客が自ら階段を上っていくプロセスに全力をあげ、信頼関係を構築することです。ここまでくるとほとんどの場合、価格の要素は無関係になるでしょう。ここでも、考える人と考えない人の結果にものすごい差がつきます。