No.16 単価×数量を仮説する

TKCの中小企業22万社の指標によると、H20には800万あった社員一人当りの生産性が、H21には780万、H22には760万とトントン拍子?に下がっています。長らく成熟社会といわれてきましたが、この3/11の震災を期にとうとう衰退社会に突入したという実感です。衰退社会とはどんな社会ですかと問われれば、今の100の力の出し方では80の成果を上げるのが精一杯で、120~130位の力を出してやっと100の現状維持という経済社会です。

ある顧問先の店長会議で、ユニークな新卒採用の方法を聴きました。その会社では、求職者に「今、一日500コ売れているメロンパンを倍の1000コ売るためにあなたならどうする?」というお題を与えて、グループでディスカッションさせるそうです。色々面白いアイデアが出るそうですが、選考基準はアイデアそのものの量や質ではなく、このアイデアで○人集客、そのうちの○%の人が購入して○コ、このアイデアで○コ・・・、合計で1000コ達成という仮説力を視ているとのことでした。なるほど、これからの中小企業に必要な発想ですね。

言うまでもなく売り上げは単価×数量で決まります。今回のメロンパンのお題は数量に限った話ですが、たとえば来期1000万の売り上げを作りたければ、1000万のうち「A商品を何人にこんな方法で周知させて、そのうちの何%から受注して、平均単価いくらで300万」「B商品にはこういう付加価値を追加して、既存顧客の何%から受注して、単価アップで200万」「C商品は・・・」、これらの合わせ技で1000万達成というように、単価と数量を明確に意識しながら、目標達成のプロセスに仮説を立てる必要があるでしょう。「気合いと根性で1000万上げるぞ!」というのとは、実現可能性と説得力に断然差が出ますね。

衰退社会とは、マージャンで例えれば、もち点が一定の社会ですから、誰かがあがれば誰かが沈むゼロサムゲームです。あがった方と振り込んだ方では、振り込んだ額の倍の差がつきますから、あっという間に勝ち組、負け組ができることになります。売上戦略もやみくも戦略から、価格戦略、増客戦略を明確に意識して、仮説検証を繰り返し行っていく必要があります。

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