No.15 人のモチベーションは、ほうっておくと必ず下がる

先月事務所を移転しました（法人名も変えました）。移転の理由は、経済環境の変化への対応、 お客さまの利便性、人財確保・・・、というのは表向きの理由で、自分と職員のモチベーション を上げるきっかけをつくりたかったというのが本音です。その割にはおカネを使いすぎました が・・・。通勤経路、窓から見える景色、新しいイスの座り心地、少し浮足立ったような感覚と、 普段とはちょっと違う緊張感を覚えました。

正月に「今年こそは、○○をやろう！」などと決意しても、だいたい一週間もあればきれいさ っぱり忘れて、毎年「今年こそは」なんてことをみなさんも経験があると思いますが、人のモチ ベーションなどというのは、基本的に、何らかの「きっかけ」がない限り下がると考えるべきだ と思います。

たまに社長さんから、社員のモチベーションをキープする方法は？などと聞かれますが、そん なときは「きっかけ」を人為的につくりましょうとお話しています。移転までいかなくても、レ イアウトの変更や席替えだけでも見える景色は変わります。○○周年記念、減収や赤字転落、こ れらも最高のきっかけですね。

人は同じ環境下で、毎日同じことの繰り返しをしていると、いつしか変わることができなくな ります。社員の環境はトップ自ら常に変えなければ、いざ変わらなければならないときに、変わ ることができなくなってしまいます。

ちなみに、私の事務所の毎年4 月に行う経営計画発表会では、毎期重点課題を3 つ決めて、担 当の割振りを発表しています。かっこよくいうとプロジェクトチームです。毎年の経営計画発表 会でのうちの社員の最大の関心ごとは、「今度は何されられるんだろう」といったところだと思 いますが、その瞬間を見るのが私の毎年の楽しみです。

トップは「人のモチベーションは、ほうっておくと必ず下がる」という前提に立っておい て、常にこちらが期待する社員ほど、「○○、今度はこれやってみようか」と今まで経験 したことのない仕事を与え続けていくことが、優秀な社員のモチベーションを上げ続ける 最高の方法です。