No.11 あなたの会社は顧客第一か~ 顧客第一なら第二にすべきこと ~ 【平成23年01月】

新年明けましておめでとうございます。

最近顧客第一を掲げる会社を非常に多く見かけるようになりましたが、本当にお客さまを第一としている会社になかなかお目にかかったことがありません。
たとえば、みなさんの会社でも経営会議や営業会議など様々な名称の会議が行われていると思いますが、1.お客さまの立場から見たサービスの改善案や満足度の評価、2.お客さまが要望する、または要望しているであろう自社商品の品質改善、3.クレーム情報の共有、などにどのくらいの時間をかけていますか。社員の尻たたきや経費節減ばかりに目がいき、会議が終わった後、お客さまに対する効果向上の決定が何もされていないようであれば、その会社は顧客第一などと語ってはいけないのだと思います。

クロネコヤマト宅急便創業者の小倉昌男さんは、創業当初トラック事故の多いことに悩まされ、「安全第一」の周知徹底を図りましたが、事故はまったく減らなかったそうです。悩んだ末に「安全第一」のあとに「営業第二」と付け加えたそうです。とにかく安全が第一だ、営業は二の次でいいとやったわけです。すると、トラックの事故は激減したそうです。安全を徹底するために、営業の優先順位を落としたわけです。「第二」を切ったら、第一が徹底されたわけです。さすが小倉昌男さんですね。

では、顧客第一を本気で実現しようとする場合、第二にすべきこととは何でしょう・・・。
第二は「会社の都合」ですね。

高知県に全国のトヨタ系ディーラーで顧客満足度10年連続ナンバーワンのネッツトヨタ南国という会社があります(一昨年の秋訪問してきました)。この会社は、来店したお客さまに喜んでいただくために、ショールームの女子トイレに「ご自由にどうぞ」とストッキングを置くことにしました。ところが一人2コも3コも持っていかれてしまって、あっという間になくなってしまったそうです。 たいていの会社は、会社の都合が第一ですからここでサービスをあきらめるわけですが、ネッツトヨタ南国は社員全員で考えに考えて、ストッキングを一つ一つ丁寧に包装して「お困りの際はどうぞお使いください」と一つ一つに手書きのメッセージをつけることにしました。すると、2コも3コも持っていく人がいなくなったそうです。

ネッツトヨタ南国のこのようなエピソードはたくさんありますが、この会社の会議の視点はすべて「お客さまから見てどうか」であり、ここに我々が想像もつかないような時間とコストが投入されています。まず会社の都合を棚上げにしておいて、お客さまの期待を超えるサービスを行い、次に不可能と思われるような会社の都合を全員が智恵を絞って可能にしていくというプロセスです。

経営者の仕事で最も大切なのは決断することであるといわれています。決断とは「決めて断つ」と書きますから、顧客第一の実現には、長年かけて培われた会社の都合(常識)を断つというあたりがポイントになるのだと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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