No.8 一番大切なことは 一番大切なことを 一番大切にすること その2~顧客から見て最も「効果」があるものに集中する~ 【平成22年4月】
先月3/16国税庁から発表された「会社標本調査」(H20.4.1~H21.3.31)によれば、会社の対前年の売上高は、全体の金額ベースで9.2%減少したとのことです。
これは、ほとんどの会社の売上高が対前年で9割程度ということを意味しています。
また利益計上会社が全体の28.5%で過去最悪でしたが、面白いのが、この利益を計上できた28.5%の会社全体の対前年の売上高は実に27.0%減少したようです。
この数字が物語っているのは、もう売上高は右肩上がりにはいかないと腹を決め、自社のサイズをばさーっと縮小させたところが、結果として利益を出せたということが言えるのではないかと思います。皮肉なものです。
さて前回は、「成果を創りだす人の条件」として、自ら決めた一番大切なことを最優先にすると書きましたが、それでは企業にとって一番大切なことはなんでしょうか?
売上げも大事、利益も大事、社員も大事、会社の理念も大事、いろいろと見方はあるでしょうが、企業として根本的に一番大切なことは「効果」であると思います。大切というよりも、存在を許される条件といったほうがいいでしょう。どんな企業であろうと、顧客に効果があるから存在し、顧客への効果が(他より)高い会社は、厳しい時代になっても絶対に消えることはありません。
効果がないものを営業マンの尻を叩いて売らせたり、こちらサイドの都合で効率よくやって、せっかくあった効果をわざわざ失ったりと、一番大切な効果をそっちのけにしておいて儲かるはずはありません。
社長は現在の商品やサービスについて、改めて「うちの会社の最大の効果は何か」、「うちの商品で最も効果を生む商品は何か」を顧客の立場からもう一度掘り下げて、その効果をさらに高めることを朝から晩まですべてに優先して行うことが大切ではないかと思います。
これからの時代の効果をあえていえば、あなたの会社の顧客が最終消費者なら、高齢者層に向けた新しいライフスタイルの提案でしょう。また、顧客が企業なら、相手顧客の中核的なニーズに向けた商品やサービスの提案です。相手顧客があなたの会社の商品やサービスで新たな付加価値を生むことができる、というあたりがポイントになるでしょう。
変化のスピードが速く、舵取りがむずかしい世の中ですが、うちの会社にとって一番大切な顧客にとっての「効果」にしっかり集中し、トップである社長は、すべての価値基準を効果において、自らの効果は自ら高めていくとの決意表明から入る必要があります。