No.5 市場縮小経済下でも儲かる社長の考え方・やり方 その1~前提が変わったら、考え方とやり方を変える必要がある~ 【平成21年7月】

景気が底打ちといわれ、メーカー各社の在庫調整もひと段落してきたようです。しかし、日本経済のこの50年の経済成長率をみてみると、1956年~73年の18年間の平均で9.1%増、1974~90年の17年間の平均で3.8%増、1991年~07年の17年間の平均で1.3%増と、現在の景気は底打ちかもしれませんが、マーケケット自体は限りなく頭打ちに近づいているようです。

マーケットが縮小傾向にあるときは、今までの自社の経営の考え方とやり方をガラッと変えていく必要があります。そのガラッと変えていくべき考え方・やり方はこんなことではないかと思います。

1.規模の拡大から、「質の拡大」へ方向転換する

マーケットが縮小傾向にあるときは、商品や製品、サービスの品質の悪いところから順番に淘汰されてきます。量を追う戦略から、量を犠牲にしてでも徹底して質を追求する戦略への転換が必要です。

2.自社の業務領域を縦に拡大していく

マーケットが縮小傾向にあるときは、常にお客様が減少していきますが、それでもお客様を増やそうとすると価格競争になります。価格で獲得した顧客は、いつか価格で離れていきますから、顧客の拡大の前に、既存の顧客に対してサービスを拡充し、価値をひとつひとつ付加していくことが絶対条件です。

3.儲かる事業に集中する

どんな事業でも、儲かっている事業と儲かっていない事業があります。儲かっている事業や商品や店舗、儲けさせてくれる得意先や社員もいれば、儲かっていない事業や商品や店舗、儲けさせてくれない得意先や社員がいます。事業規模を縮小しても、儲かる事業に集中することです。

4.営業力重視から商品力重視へ発想を転換する

需要と供給のバランスによって買い手市場に転換し、加えて情報革命によって主導権が売り手から買い手に移行した現在、買い手にとって本当に有利なモノだけが選ばれる顧客中心市場がはじまりました。営業マンのお尻をたたいて予算必達という営業力重視の時代は終わりました。

5.売上-経費=利益 から 売上-利益=経費 の考え方に発想を転換する

高度成長期には、上記の成長率に等しく毎年売上高は上がっていきましたから、よほどヘマをしない限り、「売上-経費=利益」の考え方で利益は確保できましたが、マーケット縮小時には、「売上-利益=経費」の考え方で、先に必要な利益を決め、その枠内で経費を計画する、『減収増益モデル』を追及することが必要です。

具体的な内容・方法については次号以降に詳しく説明したいと思います。

景気は人間がつくりだしているものですから、需要と供給はいつかバランスしてくる(供給側が淘汰されてくる)ことと思いますが、その間社長の頭の中をガラッと変えて、その考え方・やり方を日々の仕事に具体的に落としていくことが最も重要なことだと思います。

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