No.4 最後の一人になるまで戦う~売上減でも利益を出す~ 【平成21年4月】

百年に一度、未曾有の危機と称されて久しいですが、この危機は本当に百年に一度の出来事だろうかと思うことがあります。

百年に一度といえば、私はまだ生まれていませんが、1945年に日本が戦争に負けて焼け野原になった頃は、それこそ喰うこと自体ができず野垂れ死んでいく人も大勢いたのだと思います。しかし、今街を歩いていてもそんな人を見かけることはまずありません。
試しに、テレビも新聞も一切読まずに街中を歩いたとしても、今不況だと感じる人はいないでしょう。お昼時にでもファミリーレストランに入れば、いつも奥様方でごったがえしています。

となりの家に蔵が建つと俺のほうでは腹が立つなどといいますから、逆に同業者の業績不振の噂などを聞いて、ホッと安心してしまうというのもわかりますが、経営者の問題は世間のことでも人の会社のことでもなく、正に「わが社」のことですから、まわりもこんなだからうちも仕方がないという意識をまず変えていく必要がありそうです。

ただ、ここ数年で世の中の構造がガラッと変わってしまったことは事実だと思います。
グローバル経済、情報革命、国内人口の減少、少子高齢化、労働生産性の低下とその要因はたくさんありますが、長期的な視点でみれば、マーケットは縮小傾向にありますから、それぞれの業種がマーケットのサイズに合わせてリサイズされてくることと思います。

今も年金問題が盛んに議論されていますが、この年金制度はご存知の通り、稼いだ人から年金としてお金を預かり、稼ぎ終わった人の老後にそのまま回すという、稼ぐ人はいつまでも減らないという前提の制度です。この前提が崩れて制度が崩壊したように、マーケットが右肩下がりという前提での社長の舵取りは、

①儲かる事業だけに集中する
②売上-利益=経費(必要な利益を先に決め、売上げを悲観的にみて、差額で使える経費を決定)

だと思います。

マーケットがガラッと変わった今、発想もガラッと変えて、売上げが減少しても利益を出せる体制を一刻もはやく築くことが大切だと思います。
そして、同業者の中で最後の一社、最後の一人になるまで戦い続けるという強い決意をもってこの難関を乗り越えていきましょう。

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