No.3 景気悪化時の社長の心構え~こういう時にしかできないことが必ずある~ 【平成21年1月】

新年明けましておめでとうございます。

昨年来の世界的な金融不安と景気後退によって、私たち中小企業の現場に大きな波が押し寄せています。現場経営者の皆様の大変なご苦労をお察しいたしますが、こういう時に社長が力を入れるべきところ、注意しなければいけないところは以下のようなことではないかと思います。

1.仕事の割り振り

受注が減少し、仕事量が減っているときには、既存の従業員さん全員で減った仕事に取り組まず、例えば仕事が通常時の7 割に減った場合には、7 割の従業員さんで7割の仕事をこなしておくことが大切だと思います。こうしておかないと、受注が戻ったときに従業員さんの馬力がきかなくなります。
そして、残り3割の従業員さんには今まで忙しくてなかなか手がつけられなかったこと、今日の売上げには直接貢献しないけれど、将来的には絶対に要ると思われることを今こそ徹底してやってもらいます。遊ばせておくのはもったいないからと仕事を全員に均等に割り振りたいという気持ちを抑えて、今しかできないことに資源を投入することによって、この難局を乗り越えた後に必ず差が出てくると思います。

2.トップが営業に出る

経営コンサルタントの一倉定さんは、「赤字会社の社長は一週間に一日以上会社にいてはいけない」と言っていましたが、今は正にそんな時だと思います。
無駄と思えるような、すぐには成果に結びつかないと思われるような営業活動をトップ自らが地道にやる以外に、この難局を乗り切る方法はなさそうです。もうこれ以上無理だと思ってからが勝負のはじまりです。

3.こういう時にこそ新業態を模索する

この3~4年を振り返って、自社の商品や製品、サービスの価格(単価)が下がっている場合には、新たな付加価値を生む業態開発が急務だと思います。過去の成功体験を一切捨て、もう一度イチから、本当の意味で顧客の役に立って、付加価値の高いものを見直すチャンスです。3~5年後隆々と発展している会社にするかどうかは、現在の決定で決まります。

4.セーフティーネットの早期活用

政府の中小企業緊急支援対策として保証協会からの融資を引き出しやすい環境にあります。特にこれから迎える決算の着地予想が厳しい場合には、今期の決算数値が出る前に借入れの申込みを早めにしておかれることをお勧めします。

 

竹に節目があるように、企業も不況に遭遇するたびに次への新たな飛躍に向けて、強くて逞しい節を今創るときだと思います。
景気はもともと循環するものですから、今この不況をチャンスと捉えた人が生き残っていくのではないかと思います。左手に危機感を、右手に大きな夢を抱いて今年を素晴らしい年にしていきましょう。

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