No.32 社員教育とはいかなるものか?

こういう仕事をしていると、「うちは社員がなかなか育たない」とか、「どうやって社員教育したらいいのか」という声を社長さんから聞くことが多い。私自身は、10年ごとに売上倍増というペースで拡大し続けるユニ・チャーム、高原社長の考えに一番共感を覚える。

社員が成長するために一番合理的な方法は、「反復にこだわること」。ユニ・チャームでは、実現すべき課題や目標に対して、どう行動したかを一週間単位で検証し、翌週の行動計画を立て、その行動計画を30分刻みの予定表に落とす。結果が出ないことに対する非難は絶対にせず、プロセスの間違いは「なぜか?」「なぜか?」を5回繰り返して、仮説に基づき、再度行動計画に落とす。しかも、人は易きに流れるという理由から、プロセスの共有は部署単位でやる。

要は、3割バッターを維持するために、「毎日100回素振りをしたか」というプロセスにこだわって、反復する。

そもそも優秀な人材なら教育しなくても優秀な成果を残すが、我々中小企業の場合は特に、普通の人材に優秀な成果を遂げてもらう方法を考えるほうが手っ取り早い。小学校の頃成績優秀だったのは、絶対と言っていいほど、毎日しっかり復習(反復)していた子だった。ユニ・チャームは、この復習・反復を一週間単位でやっている。この風土でやった社員と、やらなかった社員の力の差は、10年もたてば、驚くほどの差となって現れるだろう。

私の事務所も先月、毎期恒例の「経営計画発表会」が行われ、各部署から一年間の目標とアクションプランの発表があった。これからの一年は、ユニ・チャームのように毎週とはいかないが、毎月第2土曜日のシェア会議で、プロセスの見直しと「毎日100回素振りをしたか」の検証が行われる。

ご多分に漏れず、私も社員には日々山のように不満を感じているが、何かウルトラCの社員教育があるとも思っていない。そこはむしろ、不満は「お互いさま」と割り切って、反復によって成長できる舞台(仕掛けと仕組み)を提供し続けることではないかと思う。

ページトップへ

お電話でのお問い合わせ 04-2924-7775

営業時間:9:00~17:00 定休日:土日祝

メールでのお問い合わせ(24時間受付)